「ChatGPTがあれば英語いらなくないですか?」
外資IT転職の相談をされるとき、よく聞かれる。正直、数年前の自分もそう思っていた。だがAIフル活用の環境で実際に働いてみて、答えは「半分イエス、半分ノー」だとわかった。
AIが得意なこと・苦手なこと
仕事でAI翻訳を使わない日はない。メールの文章確認・英語資料のドラフト・社内ドキュメントの翻訳。これらはAIで十分カバーできる。
AIが代替できる英語作業:
– メールの文章作成・チェック
– 英語ドキュメントの翻訳・要約
– 報告書のドラフト作成
– グラマーチェック・表現の改善
一方でAIが補えない場面がある。
AIが補えない英語の場面:
– リアルタイムのビデオ会議(特に複数人が同時に話す場面)
– 上司・同僚との1on1での雑談や信頼構築
– 突発的な口頭確認・その場の判断が必要な場面
– 相手のニュアンスを読み取る場面(怒っているのか、急いでいるのかなど)
特に「リアルタイム会議」は現時点ではAIでは完全に補えない。Zoomのリアルタイム字幕はあるが、複数人が話しながら情報が流れる会議では、理解の遅れが判断の遅れに直結する。
AI時代に鍛えるべき1つのスキル
英語の4技能(読む・書く・聴く・話す)のうち、AI時代に最も価値が上がっているのが「リスニング」だと感じている。
理由はシンプルで、AIが補いにくいのがリアルタイム聴解だから。
「読む」「書く」はAIが強力にサポートできる。「話す」も、準備した内容ならAIで磨ける。でも「相手が話していることをリアルタイムで理解する」は、自分の耳と脳を使うしかない。
リスニング力があると:
– 会議で何が決まったか、次のアクションは何かをその場で把握できる
– 上司のフィードバックをその場で受け取れる(後で録画を確認する手間が減る)
– 相手の温度感・ニュアンスを読み取れる
これは生産性だけでなく、信頼関係の構築にも影響する。
TOEIC430から実践した英語学習の変遷
最初の2年:量でカバー
入社直後は「とにかく量」を意識した。英語のポッドキャストを通勤ゼロになった時間に聴く。社内のSlackチャンネルを英語設定で読む。会議は録画を見直して聞き取れなかった部分を確認する。
3年目:AIと組み合わせる
今はAIを英語学習にも積極的に使っている。ChatGPTに「英語面接の練習相手になって」と頼むと、質問を投げてくれてフィードバックもくれる。発音・フレーズの確認も秒でできる。
現在の学習ルーティン(1日30分):
– 起床後10分: ニュースポッドキャスト(BBC / NPR)
– 昼休み15分: ChatGPTで英語の音読練習・フレーズ確認
– 就寝前5分: その日に使った英語表現をメモ確認
AIと英語力の使い分け
外資ITで実際に使っているパターンをまとめると:
| 場面 | AIを使う | 英語力が要る |
|---|---|---|
| メール作成 | ✅ドラフト・確認 | 文脈判断 |
| 資料翻訳 | ✅ほぼ全部 | ニュアンスのチェック |
| 会議準備 | ✅アジェンダ理解 | リアルタイム聴解 |
| 1on1 | 準備メモ作成 | ✅リスニング・コミュニケーション |
| 交渉・折衝 | 参考文献 | ✅話す・読む |
AIを使えば使うほど、「AIで補えない部分」が浮き彫りになる。それがリスニングとリアルタイムコミュニケーション力だ。
英語が武器になるということの意味
「英語が武器になる」というのは、ネイティブと同じように話せることではない。
AIが補えない場面で、まわりより少しだけ早く・正確に理解・行動できること。それが外資ITでの「英語力が武器になる」の実態だと思っている。
逆に言えば、「AIで書けるから英語勉強しなくていい」という人と、「AIを使いながらリスニングを鍛えている」人では、3〜5年後に差が開く可能性がある。
英語学習のコスパが最も高いのは「リスニングの強化」。そしてAI時代こそ、この差が大きくなる。
まとめ
AI翻訳で英語の「書く・読む」は大幅に楽になった。でもリアルタイム会議・信頼構築・突発対応は、依然として自分の英語力に依存する。
AI時代に鍛えるべきは「リスニング力」。AIを使いながらリスニングを鍛えることが、外資IT環境で長期的に生き残る最短ルートだと信じている。
ふくパパ|外資IT企業フルリモートパパ。TOEIC430からスタートして外資ITに転職した経験を書いています。
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